美しさは私たちを救う

Made in Italy、現代のクラフツマンシップの課題、若者に再び愛されるためにできること、そしてこのコロナ禍の後にジュエリーを購入する必要がある理由: Nanis Italian JewelsのCEO兼共同創設者であるPiero Marangon(ピエロ・マランゴン)氏が語ってくれました。


ピエロ、あなたにとってのMade in Italyとは何ですか?そしてMade in Italyを唯一無二なものにしているのは何なのでしょうか?

制度的な説明ではなく、海外で広く受け止められている、私たちにとっては全く普通のようで、実は普通ではない価値観についてお話します。 わかりきった、ありきたりな説明にならないよう努力します.... なぜなら、Made in Italyは決してわかりきったものでも、ありきたりなものでもありませんから。
それは、まさに研究され、分析されるべき現象でなのす。 当然、研究や分析はされていることと思いますが、ただここでは、Made in Italyを日々実践している者としての、当事者側からの考えをお伝えします。
世代から世代へと受け継がれてきたイタリア人のDNAのように、その感性、センス、勤勉さ、粘り強さ、想像力、創造性も同様に受け継がれてきました。つまり、Made in Italyは、何世紀にもわたる歴史の所産なのです。 素晴らしいのは、それが自然で本能的なプロセスであり、異議を申し立てることすら不可能な、すでに私たちの中に深く根付いているものであるということです。 それはすべて、歴史や貿易、ひいては富の申し子である芸術の発祥地である、この国の歴史に由来しています。 イタリアは、その歴史の中で、人類の象徴となるようなモニュメントを建ててきたと同時に、路地や家や教会が一体になって芸術を形成しているような街、中には丘の上にしがみついているような街並みもあります。 そしてそれらの街々の壁の向こうには、芸術家や職人の工房が栄え、父親たちは子供たちにそれらの技を学ばせたいと願っていました。 師弟が師匠から学び、超えていく工房....
同様の例を私たちの時代まで挙げ続けることができます。旅が混交とコミュニケーションとなった時代まで。 旅は、私たちの美しさを世界に示す手段となり、自然発生的に表現された美しさの集合体としてのイタリアに対する「欲望」を世界に広めました。
Made in Italyは、世代的な混交、歴史的な混交の所産であると同時に、世界との比較の中で生まれた多様性に根付く誇りの申し子でもあるのです。 イタリアでは、100の生産地に、それら各地域を識別する100の方言が今も残っていることを考えてみてください。 これらすべてが、イタリア以外の国ではありえなかったことでしょう。


若い人たちを見ていると、クラフツマンシップは「もう流行らない」と感じているようです。 なぜ新しい世代はこの職業にあまり近づかないのでしょうか?

逆に、クラフツマンシップは間違いなく流行っています。 ただ残念ながら、それは現実的なものというよりも、哲学的な流行なのです。 実際、若い人たちを従わせている大きな文化的制限は、汚れた手や肉体的疲労に対する誤った価値観であり、その責任は、公証人や弁護士といった別の職業を常に彼らに示してきた私たちの世代にあるのです。 こうして彼らは、家具職人や仕立屋、配管工や左官、大工や鍛冶屋を軽視するようになったのです。 若い人たちは、8メートルの杉の木の幹から無垢のテーブルを作るという考えに、惚れ惚れすると同時に、恐れを感じているのではないかと私は思っています。 しかし、これらの職業には、歴史、文化、技術、創造性、知識などが詰まっており、それらは建築学の学位では得られないものなのです。 過保護に育てられた私たちがその子供たちに遺したのは、単に生きることへの恐れです。 そして、これは許されることではありません。


特に今、このような時期に、イタリアのクラフツマンシップを強化し、守るために、何ができ、何をすべきなのでしょうか?

ここでは、「芸術的クラフツマンシップ」に分類される手工業企業に限って考えてみましょう。 この重要なイタリアの資産を強化するために、私はいくつかのレベルで取り組むべきだと思います。 第一に、教育です。 学校は、家族の期待を満たし、仕事の世界ともっと密接に結びつくような、教育レベルとその結果としての資格を提供できるように、より構造化されるべきです。
しかし教育は若者だけを対象とするものではなく、教育者自身の育成も含まれます。学生にクラフツマンシップのワークショップを準備し指導するために、教育者自身が、継続的な育成コースで支援されるべきなのです。
第二に、手作業や芸術性の高い工房のビジネスを簡素化することが必要だと考えています。
そして最後に、重要なことは、「Made in Italy」の国際的なプロモーションに取り組むことです。Made in Italyこそが、まさに焦点を当てるべき唯一の真のブランドであり、その大きな「傘」の下で誰もが自分のビジネスを展開できるのですから。 私たちは、すべての地域主義、数千もの組合、連合、協会(すべてが独自の商標を持ち、すべてが全く知られていない)を克服しなければなりません。そして、レオナルド・ダ・ヴィンチからジョルジオ・アルマーニまで、パバロッティからグアルティエロ・マルケージまで、ロベルト・ベニーニからフェデリコ・フェリーニまで、グッチオ・グッチからソフィア・ローレンまで、さらには偉大な作品やモニュメント、デザインなど、時代を超えた証言に支えられた継続的な世界規模のキャンペーンを展開しなければなりません。 それは、芸術的かつ文化的に優れた内容で、あらゆる分野に通じるコミュニケーションであり、全投資をひとつにまとめることができる真に記憶に残るキャンペーンです。


Nanisは今年で30周年を迎えました。この30年間で金細工師の技術はどのように進化しましたか?

2つの傾向と2つの考え方が交差しました。1つ目は、偉大な技術革新に支えられた量的生産への傾向です。そして2つ目は、主に海外のニッチ市場を対象としたデザインを追求したジュエリーへの傾向です。 2001年と2008年の経済危機により、すでに進行していたこれらの傾向が加速し、一方では大量生産の減少、他方ではハイジュエリーの、より「民主的」なジュエリーへのシフトが起こり、この2つの傾向が出会うことで新たな大きな領域が生まれました。そこでは、少量の、たとえ1点ものであっても適応できる新しい技術が編み出され、限定シリーズの技術的レベルを向上させ、デザインの価値を高め、技術的限界というハードルを下げることができました。


Nanisの「ハンドメイドジュエリー」について教えて下さい。それらを唯一無二なものにしているのは何ですか?

私たちが作るハンドメイドジュエリーは、歴史と伝統が私たちに残した遺産を継承しつつ、まさに先ほど申し上げた技術革新のプロセスの結果として生まれたものです。 またNanisの中心には常に探求があるということも事実です。 私たちが作るジュエリーには、あらゆる、いずれにせよ多くの現存する金細工技術が結集され、独自の効果と特徴を生み出しています。 このようなジュエリーは、Made in Italy以外ではありえません。


多くの人が、このパンデミックが私たちを変えると言っています。なぜこの危機の後に、私たちはまだジュエリーを買いたいと思うのでしょうか?

実際、単に買う気にはならないでしょう。 私たちは落胆し、挫折し、混乱し、疲弊し、経済的に弱体化します。 私たちは、優先的で重要度の高い、基準となる価値観の新たな秩序の再構築を求められるでしょう。 それには時間がかかり、私たちは、安心感を与えてくれる基準を探すことに躍起になるでしょう。こうして、コミュニティという概念に新たな関心を持ち、グローバリゼーションという概念に嫌悪感を抱き、より人間的な次元を求めるようになります。 この新しい次元への着地スピードゆえに、私たちは膝をすりむいたままです。 それでも私たちは再び立ち上がります。しかしこの記憶は長い間私たちに付きまとうことでしょう。 そして、ジュエリーを買いたいという欲求ではなく、必要性を感じるようになるのです。 「美しさは世界を救う」。 私はそれを確信しています。ジュエリーは錨であり、象徴であり、決して裏切らない仲間であり、側にないと寂しいものなのです。ある記憶または一番大切な記憶であり、シンボルであり、平和をもたらす感情であり、あなたや他の人のために感動を取り戻すものなのです。 私たちは、私たちのジュエリー作りにおいて、これらすべてを考慮する必要があります。

また読む 30周年おめでとうNanis…そして皆さまへの心よりの感謝!